こんにちは。
事務屋♂です。
自分は現在“業務効率化”を推進する部署でお仕事をしているのですが、今後記事にしていきたいRPAやワークフローの話題を書く前に、なんで事務屋♂だった自分が“業務効率化”の担当者になってしまったのかをご紹介しようと思います。
わが社の業務効率化について
事務屋♂が働いている会社でも、数年以上前から『業務改革』が叫ばれ始めておりました。
当時は今ほど経済状況も悪くなく、アベノミクスやインバウンド需要の影響もあって会社の業績も右肩上がりだったため、『業務改革』のお題目は『来るべき労働人口減少に備えて』と『部門間のセクショナリズムと業務のブラックボックス化をなくす』だったと思います。
業務を効率化して非生産部門をスリム化し、コア業務(会社の軸となる部分)に人材を集中させていきたい!という経営陣の思いが見え隠れしているなーと感じていました。
当時の事務屋♂は国際関係の部署での事務方だったので、インバウンドでウハウハだし、しばらくは安泰だろうと思っていたように思います。
というお偉いさんの号令に、
勝手にアプリやツールをインストールするなー!外付けHDやUSBも許さぬ!!
という情報システム部からのIT化は進めても良いが各部で好き勝手するな! という主張が激突。
どーすりゃええねん!と面倒くさくなった各部の部長さんたちは、経営陣からのシステム化・IT化による業務効率化という命題を、結果として情報システム部に丸投げしました。
この瞬間、『業務改善・効率化』は各部署の果たす目標から情報システム部がおぜん立てしてくれるものという認識になりました。
その結果生み出されたのが『基幹システムの入れ替え』プロジェクトです。
基幹システムを入れ替えれば業務は効率化するのか?
9桁の予算をかけて外注先SIerに委託・設計・開発してもらった新しい基幹システムは、いざテスト導入!となりました。
ところが現場のヒアリング・周知は全然できておらず、想定外の業務が多発。
そのフォローで現場担当者は余計な時間がかかってしまい、残業の嵐。
業務効率化を進めるどころか、新しい基幹システムに漏れていた業務を補完するためにベテラン社員はイレギュラーな対応を行わなくてはならず、業務は従来にも増してブラックボックス化。
その結果、業務のしわ寄せは若手社員や新入社員にまで及んで、残業は増えるわ人材育成の時間はとれないわ。
始めは『導入時期を乗り越えれば楽になる』という導入社たちの言葉を信じて頑張っていた現場の事務担当者たちも、一向に楽にならない業務に終いには心や体を病んで退職する人まで発生。
そしてさらにブラックボックス化が進み……という悪循環。
そもそも基幹システムを入れ替えるにあたって、
・業務全体の棚卸もせず(少なくとも自分が知っているベテランはほぼ聞かれなかった)
・基幹システム導入後の業務プロセスも描かず
・現場の担当者に共有も通知も根回しもせず、
それで本当にうまく定着できると思っていたんでしょうか。
もっと言うなら
『本当に基幹システムを入れ替えれば、効率化すると思っていたのか』?
※結果からすると情シスのメンバーは思ってませんでした(笑
基幹システムでの業務効率化はハードルが高い!!
事務職♂からみても基幹システムは古いし使いにくいけど、別にそれが最新のものに置き換わったからといって業務効率なんて大きく変わるとは思えません。
なぜなら基幹システムは『お客様用の仕組みではない』ので、ユーザビリティに重きを置いていないからです。
どちらかといえばユーザーの使いやすさよりも、確実にその業務が処理できることを重視しています。
使いやすさよりも質実剛健が大切なわけですね。
システムが最新のものになれば、そりゃあ使い勝手は多少は良くなるでしょう。
しかし使う側からすれば今までのやり方は通じなくなるからイチから操作を身に付けなくてはならないし、日々の業務内容や後輩や派遣さんに教える手間暇は変わらない。
現行の業務プロセス・内容を変えずに、仕組みだけ入れ替えてもやることは一緒です。
って言われているようなものです。
そんな現場の状況なのに『お前たち(現場)の業務改善・効率化のために大金使って基幹システムを入れ替えた~!』とか声高に叫ばれると、
何言っちゃってんの?頭大丈夫?という気分になりますよね。
まぁ面と向かって偉い人に言われたら、まじめなサラリーマンの事務屋♂としては『あははははは。そうですねぇ~(汗』と笑うほかありませんが。
むしろ『基幹システムのプログラム言語を扱える保守人員の確保が今後問題になるから、今のうちから入れ替える』とかの理由のほうが納得感があるし、諦めもつくというものです。
※のちに情報システム部メンバーは業務改善よりも保守問題解決を狙っていたことを知りました※
ただ、基幹システムの入れ替えが業務効率化に絶対につながらないか?といわれれば、そんなことはないと思います。
むしろ一大プロジェクトとして関係者全体を巻き込んで『業務プロセスの再構築(BPR)』を行いつつ、現行業務の非効率な点を洗い出し改善した新しい業務プロセスを描いて、それを稼働させるための基幹システムを導入するのであれば、全然結果は違ってきたと思います。
もっとも大規模プロジェクトを推進できる権限と才能、熱意を持った人材が社内にいればですが。
今回導入された基幹システムも(かなり前のバージョンですが)取り扱ったことがありました。
プロジェクトの推進やシステムの導入から定着までがどれだけ大変かについても、思い出したくもありませんが知っています。
※業務プロセスを見直して業務を効率化したりするのは楽しかったのですが、いかんせんハードワークで身体を壊しそうだったので辞めました※
プロジェクトの推進者(PM:プロジェクトマネージャー)は、プロジェクトメンバーの進捗管理と成果物の品質管理、(導入先企業の)関係部署間の調整で心と身体がすり減る(もしくは激太りする)お仕事です。
どんなに素晴らしい考えのどんなに素晴らしい仕組みでも、絶対に反対する人や非協力な人はいます。
それらを巻き込んでいくことが、どれだけ面倒くさいし大変で難しいことか。
PMなめんな(怒) ← ストレスで激太りしたひと。
昔々にどこかで見たことのある失敗するプロジェクトの見本市のような状況に『いやはや、こんなことで本当にこの会社大丈夫なの?』『絶対に関わりたくないわー』と他人事として眺めていたのですが。
なんとある年の人事異動で、自分が新設された『業務効率化』を推進する部署に異動になっていました。
おったまげ~。(古い)
長くなってしまった…。
RPAやワークフローの話までたどり着くまで続きます。
※注意※ 出演者やストーリーはある程度加工されています※